Main | KVMスイッチ(CPU切り替え機)を選んでみる »

June 07, 2004

Auto-negotiation設定について

100BASE-TXの時代では通信設定をAuto-negotiationにするか固定設定にするか悩んでましたが、1000BASE-Tの時代になるとAuto-negotiationが義務となったため、このことで悩む必要がなくなりました。

ところでAuto-negotiation設定では下記のような症状が出る可能性があることを意識しておく必要があります。

(1) 接続する同士で異なった設定をしていた場合通信エラーが発生することがある
通常はauto-negotiationに設定しておけばとりあえず安心と思うわけです。しかし<font color=red>auto-negotiaionは接続元と接続相手の双方がauto-negotiationに設定されていないと通信モードが期待通りにならないので注意が必要です。</font>昔サイト内のサーバの一部だけでパフォーマンスが落ちる障害に見舞われたことがあります。調査してみるとサーバ側は100M-Full固定、スイッチ側ではauto-negotiationとしていたことにより、スイッチ側では100M-Halfと認識されて、スイッチ上に通信エラーが出続けていました。

 

よくありがちな誤解として、片方が100Mbps Fullで固定されている場合はAuto negotiationが設定されている相手側は自動的に100Mbps Fullとして認識してくれそうな気がします。しかし実際は100Mbps Halfに自動設定され通信モードの不一致が発生します。双方がAuto negotiationで設定されると、お互いがFLP(Fast Link Pulse)バーストという信号を投げ合って通信モードを決定します。しかし相手からFLPバースト信号が返ってこない場合は10BASE-T対応機器が正常に動作している時に定期的に発信する「NLP」(normal link pulse)や100BASE-TX対応機器が発するアイドル信号を検出することで10BASE-Tか100BASE-TXのいずれかと判断されます。ただしこの場合FullとHalfまでは判断できず、必ずHalfとなります。

 

Port Rx Error Monitor                                 Mon Jun 7 14:48:05 2004
Port      Link        Rx      Rx      Rx        Rx     Rx        Rx        Rx
          Status      CRC     Over    Under     Frag   Jabber    Align     Los
================================================================================
 45        READY        0        0        0        0        0        0        0
 46        READY        0        0        0        0        0        0        0
 47        READY        0        0        0        0        0        0        0
 48        READY    23168        0        0    23175        0        0        0
 49       ACTIVE        0        0        0        0        0        0        0
 50        READY        0        0        0        0        0        0        0
================================================================================
           0->Clear Counters  U->page up  D->page down ESC->exit

【資料:ネゴシエーションミスマッチにより通信エラーが発生している例】

 

(2) ネットワークケーブル不良などで100Mbpsなどに誤認識されることがある
1000BASE-T同士でAuto-negotiationすれば通常は双方1000BASE-Tとして認識されます。しかしネットワークケーブルの不良などによって、まれに100BASE-TXなどに誤認識されることがあります。(まれにと書きましたが、うちの環境はサーバ台数が非常に多いのでこの問題は日常的に発生していたりします)

|

Main | KVMスイッチ(CPU切り替え機)を選んでみる »

Comments

これ別に Extreme に限った話じゃないです。
L2/L3 及びコアを同じメーカで統一出来ない限り、頻度はやや高くなるともいえます。ごった煮になってる環境幾つかで、お目にかかってます。他のセグメントとの接続点になるスイッチで特に気をつけるべき話ですよね。

直面した際は、追跡は結構面倒ですが個別の接続点ベースで行いました。
プロトコルで流れているものを絞り、通信パターンを列挙したが成果がなく。ファイルの送受信を行う等、泥臭い追跡を行った記憶があります。(汗

これって追跡するために行える作業の定石ってありますかねぇ。ご存知の寡多がいらしたら教えてください。

Posted by: YamaKen | March 07, 2005 01:16 PM

はじめまして。

本記事にトラックバックさせて頂いている者です。

YamaKenさんが仰られているように、これは
Extreme に限った問題ではありません。
原因は私のブログに書いてありますので良かったら見て下さい。
http://netstaff.blog92.fc2.com/blog-entry-20.html

>これって追跡するために行える作業の定石ってありますかねぇ。ご存知の寡多がいらしたら教えてください。

ミスマッチが発生しているポートでは、このログのようにCRCエラーなどが発生していますので、私はそれで調べていました。
また、Cisco同士ならCDPでミスマッチを知らせるエラーを吐いたと思います。

いずれにせよポート数が多いと大変ですね。
もっと良い方法があればいいのですが^^;

Posted by: カマチ | July 23, 2008 10:23 AM

カマチさん

コメントありがとうございました。

1000BASE-Tの普及が進む現在、当該記事を書いたときと比べて圧倒的にauto-negoの問題が減ったように思います。はやく100BASEなくなってしまえばいいんですけどねえ。

Posted by: sanonosa | July 28, 2008 03:45 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference Auto-negotiation設定について:

» Auto-Negotiation(オートネゴシエーション)の問題 [ネットワーク管理者というお仕事]
ネットワーク機器の便利な機能に"Auto-Negotiation(オートネゴシエーション)機能"があります。 Auto-Negotiationは接続した機器(ポート)間で、通信速度と通信方式(半2重/全2重)を折衝し、最適なものに自動設定してく... [Read More]

Tracked on April 21, 2007 10:02 PM

» オートネゴの問題がなくならない [ネットワークエンジニアに成る]
100/Fullなのか100/Halfなのかはっきりしたらどうなんだ。今日はイーサネットのオートネゴシエーションの話。つなげてみたらパケットエラーが多発するので何事かと思ったらスイッチなんかで設定されるAutoNegotiationの設定不備やミスマッチという話の多いこと多いこと。前職...... [Read More]

Tracked on September 19, 2007 12:27 AM

Main | KVMスイッチ(CPU切り替え機)を選んでみる »