「Amazon Web Services負荷試験入門」の書評
技術評論社より「Amazon Web Services負荷試験入門」を献本いただいていて、やっと一通り目を通すことができましたので僭越ながら書評させていただこうと思います。(遅くなって申し訳ありません;;)
■総評
まずは総評です。実践的で実用的に役に立つ本だなあと感じました。私の中で良い本と思っているのは、実際に手を動かしたことがある人が自身の経験を基に、重要なことは懇切丁寧に、逆に重要でないことはさらっと触れるかもしくはばさっと切り捨てながら、著者のメッセージを読者が読みやすい形で最大限凝縮しているような本です。その意味では本書は著者のメッセージを十分感じますし、とても実用的な本だと感じました。
内容としては、負荷試験の失敗事例、負荷試験の一般的な話し、そしてAWS環境下でいろいろ負荷試験しながらサーバスペックを決めていく具体的な手順と、書いてあってほしい内容が一通り押さえられていました。
■失敗事例
1章に失敗事例が書いてあります。負荷テストをしないという事例や間違いだらけの(意味のない)負荷テストなどが書かれています。「あ~わかるわかる」と共感を覚える内容です。(苦笑)
■負荷試験の一般的な話し
3章から9章がそれにあたるかと思います。負荷試験で使われるツールの紹介、負荷試験の手順、負荷試験で得られたデータとその扱い方、そして負荷試験レポートの作成方法などが記されています。ここの内容は必ずしもAWSだけでなくて他のクラウドやオンプレ環境でも十分役に立つ内容です。
これまでなんとなく負荷試験してきた人が体系的に負荷試験の手順を学ぶのに良いと感じました。
■AWS環境下でいろいろ負荷試験しながらサーバスペックを決めていく具体的な手順
重複する部分もありますが7章から10章がそれにあたるかと思います。こういう結果が得られたからこの部分のサーバスペックを変更しましょう、といったことが書かれています。適当にサーバスペックを決める開発者がとても多い(個人的意見)ので、みんなこういう手順を経てサーバスペックを決めてくれたらいいのになあと感じる内容です。
以上、簡単ではありますが書評とさせていただきます。著者の皆さん、良書を書いていただきありがとうございます。また執筆お疲れさまでした!
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