カテゴリー「データセンター」の6件の記事

February 19, 2007

サーバの設置場所はどこがいいか

今月分の@IT連載記事が掲載されました。タイトルは「サーバの設置場所はどこがいいか」です。

http://www.atmarkit.co.jp/im/cop/serial/kanrisha/12/01.html

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November 12, 2005

iDC移転を検討するということ

iDC(データセンター)移転はものすごく大変です。特にサービスを稼動させながら移転させるなんてことは、普通に考えただけでもかなりしんどい作業です。そんなiDC移転を数回経験した経験から、それでもiDC移転を検討することの重要性を今回は述べてみたいと思います。

 

【iDC移転はどんなとき検討されるか】
いろいろあります。単純に思いつく限りだと、
  • iDCのキャパシティが小さくサーバ増強に限界が見えた
  • 費用対効果を計算し、移転費用を考えても他者に乗り換えたほうが安い
  • セキュリティや耐障害性向上を考えたとき利用中のiDCだと限界がある
  • 会社合併によりiDCも統合の決定が下った
などでしょうか。

 

【なぜiDC移転を検討することが重要なのか】
今利用し続けているiDCにたとえ満足していたとしても常にiDC移転を検討することは重要です。それはiDC間で競争が起こっているからです。いろいろなiDCをずっと見てきていますが、iDCの機能やサービスの進化や価格下落は想像以上のものがあります。iDC移転を検討しないということは、最初に契約した条件でそのまま契約続くことに他なりません。外を見渡せば、 もっとよい機能やサービスを安価で利用している会社が多数あります。そんな外的環境を検討しない合理的な理由があるでしょうか。

【言ってみるだけなら無料】
とは言えiDC移転はかなりしんどいのであまり考えたくないのはよくわかります。しかしiDC移転を検討するということは必ずしもiDC移転しなければならないということではありません。今利用しているiDCの契約が他のiDCと比べてどうなのか比較することにまずは意味があります。その結果あまりにも最近の価格相場と乖離しているのであれば現在利用しているiDCの値下げ交渉ができますし、機能やサービス的に劣っているのであれば交渉してそれらを追加してもらうことができます。重要なことは、適切な情報を仕入れ、まずは現在利用しているiDCに言ってみることだと思います。言うのは無料です。iDCとしては当然顧客離れは嫌なのである程度柔軟に聞いてもらえるはずです。私自身も現在利用しているiDCには当時いろいろな改善要求を出していたものです。やれセキュリティ強化してくれ、駐車場つくってくれ、入場が不便だ、椅子くれ、等々。
(注記: クラウド登場前に書いた記事の焼き直しなので、現代はクラウドへの移行という選択肢もあります)

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January 13, 2005

備品を管理しよう

データセンターを利用するようになると様々な備品を扱うようになります。サーバ台数が少ないときには備品管理というほどのことをしてなくても何とかなりますが、サーバが増えてくると備品管理が作業効率に大きな影響を与えるようになりますそこで今回は備品管理について記してみたいと思います。

 

【備品の種類】
機器付属品として、電源ケーブル、インストールCD、マニュアル、ラックマウントキット、ねじ各種ケーブルなどがあります。

予備パーツとしてHDD、SSD、メモリ、PSU、交換用CPUなんてものもあるかもしれません。
ネットワーク関連として、LANケーブル、光ケーブル、SPFなんてものもありますね。
それ以外、各種工具や文具、棚板、テプラなんてものもありそうです。
 

 

【何も考えないで作業するとデータセンターはどうなるか?】
何も考ないでデータセンターのラックに様々なメーカーの機器を取り付けていったとしましょう。多分作業が終わった頃には梱包材が散乱し、ケーブル類が散らばり、インストールCDやマニュアルはゴミかそうでないのかわからない状態でちらかり、余ったラックマウントキットやねじはもはやどのメーカーのサーバに付いていたものかわからない状態になっていると思います。サーバ取り付け作業で疲労した体ではもはやそれらを整理する気力すらなく、「いつかきちんと仕分けしよう」なんて思いつつ、取りあえず 

倉庫に備品となりそうなものを押し込んで撤収ということになると思います。しかしこの結末は皆さんのご想像の通り、「いつかきちんと仕分けしよう」としていたものは決して仕分けされることはないし、本来保存が必要であった備品が既にゴミと間違えて捨ててしまっているものも多数ある状態となっています。こうなると既に手遅れです。

【備品をどのように管理すべきか】
例えばこんな感じです。
・各種ケーブル・・・長さ別(1m,3m,5m等)に箱分けする。
・電源ケーブル・・・ダンボールに入れる。
・インストールCD・・・機種別にファイリングする。同じものが多数あったら廃棄。
・マニュアル・・・機種別にファイリングする。同じものが多数あったら廃棄。電子化して全て廃棄するのもあり。
・ラックマウントキット・・・サーバの種類別に束ねる。ラックマウントキット自体に油性ペンで機種名を書いておくのがお勧め。
・ねじ・・・種類別に束ねる。
・予備パーツ・・・種類別に整理し、在庫数をWEBなどで閲覧できるようにする。
・工具や文具・・・所定位置にまとめる。各々には持ち主の社名を明記する。

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September 19, 2004

リモートKVMスイッチの選び方

今日はリモートKVMスイッチについてです。

データセンターに設置してあるサーバでOSにネットワーク接続できない場合どうするか。例えばIP設定ミスでネットワーク接続が切れてしまったり、OSインストール中にホスト名入力等のちょっとした設定をリモートで行いたいなどといったことがあります。

大きく分けて3つの対応方法がありそうです。
(1) データセンターのリモートハンドサービスを使う(データセンターに常駐している人に電話やメールをして、簡単な対応をお願いできるサービス)
(2) DELLのidracやHPのiLOなどのリモートコンソール機能を使う
(3) リモートKVMスイッチを使う

今回はリモートKVMスイッチについて考えてみたいと思います。

【リモートKVMスイッチとは】
リモートKVMスイッチとは、その名の 通りKVMスイッチをリモートでアクセスできるようにした装置で、KVM over IPなどとも呼ばれます。製品としては、ネットワークポートがついたKVMスイッチもあれば、KVMスイッチに接続して使う、リモート接続機能だけ提供するタイプのものがあります。


【リモートKVMスイッチの選定ポイント】

いろいろなリモートKVMスイッチを使ってきて、おおよそ次のような選定ポイントがありそうです。

・リモート操作するコンピュータのコンソールはWEBブラウザ上で使うか専用ソフトウェア上で使うか。
WEBブラウザのほうが便利なことが多いですが、Java appletやFlashなどを使うタイプのものだと、最近のWEBブラウザではそれらが動かせなくなってきているのでむしろ不便かもしれません。(私はFireFox+IEアドオンで使うことが多いです)

・ずれないマウス。
コンソール上のマウスカーソルと、コンソール内のOSのマウスカーソルが一致しなくていらいらするリモートKVMスイッチが多いです。Windowsが多い環境であればずれないマウス機能は絶対あったほうが良いです。2016年現在では、Raritan社のDominionシリーズが特におすすめです。

・同時接続数
あまり使われないと思って同時接続数1で買ってみたら、意外と同時接続したいというニーズが出たりします。

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September 12, 2004

データセンター選びのポイント

現在利用しているデータセンターは3箇所目になるのですが、毎回データセンター選びにはとても苦労しました。そこでこれまでの経験を踏まえて、ここでは僕的なデータセンター選びのポイントを書いてみたいと思います。

【ポイント】
まずあなたがデータセンターに何を望むかはっきりさせることが重要です。僕が重要だと思うポイントとしては次のようなものがあります。

データセンターの所在地
→言うまでもなく事務所から近いほうが有利です。ただし地震等自然災害に強いのは必須です。

入館セキュリティーの厳しさ
→強ければ安心なのですが、頻繁に現地で作業するのであればむしろ入館セキュリティーは弱いほうが使いやすいです。(←かなり重要。以前使っていた某大企業系データセンターはセキュリティが厳しすぎて現地作業するのが億劫で・・・)

ラックは持込みか、貸し出しか
→ラックマウントサーバの場合、ラックマウントキットとラックに相性があるので、もし備え付けのラックとラックマウントキットが合わないと棚板を使うこととなり、スペースがもったいないです。また備え付けのラックが空気循環が悪いタイプだとたくさんサーバを詰め込めないので、そういう場合はラック持込みがおすすめです。

温度管理
→温度がSLAで決められているか。サーバはかなりの熱を排出するので温度管理は重要です。

備品貸し出しの柔軟性
→工具、イス、机、キーボード、温度計、LANケーブル、シリアルケーブル等現地作業ではいろいろ必要になりますが、そういったものを柔軟に貸してくれるところは大変使い勝手がよいです。(うちが使っているデータセンターは係の人と顔見知りなので何でも貸してくれてとても助かっています。以前使っていた某大企業系データセンターは何も貸してくれなかったからなぁ。。。)

廃棄ゴミの処理方法
→廃棄ゴミ処理は意外と重要です。頻繁に発生するダンボール等のゴミが現地で処理できないとかなり大変なことになります。(以前サーバ100台箱出ししたことがありますが、2トントラック2台分のゴミが出ました。あのときはしんどかった・・・)

重加重機器への対応
→ハイエンド機器になると数トンという重さになることがざらです。それに対応しているかどうか。

様々な電源への対応
→100V,200V両電源に対応しているか。またハイエンド機器になると電源プラグが特殊な形状だったりすることがざらで、それに対応しているかどうか。

搬入スペースや駐車場の有無
→これも意外と重要で、サーバ搬入時、搬入スペースや駐車場がないとかなり悲惨なことになります。特に数トンクラスの機器の場合はそれらがないと悲劇です。

MSP(マネジメント・サービス・プロバイダ)サービスの有無
→トラブル発生時、電話をかければ電源on/offしてくれるリモートハンドサービス程度から、常時モニタリングしてくれていてトラブル発生時は勝手に操作マニュアルを見ながらコマンド操作してくれるところまで行ってくれるようなサービスが必要か。

空きラックスペース量
→サイトの伸びが急激でラックやスペースの利用が急増しそうなのであれば、残ラックスペースは重要です。

常駐スペースの有無
→社員がデータセンターに常駐する場合は常駐スペースを借りられることができるか。

ケージの有無
→ケージ(柵ですね)を設置できるか。

ネットワーク回線のコネクティビティー
→IX直結か、大手ISPとのトランジットを豊富に持っている業者であるとよいです(通信系の業者が運営しているデータセンターだと安心ですが、中小のデータセンターだとこのあたりが心配です)。もしくはキャリアフリーを謳っていて外部回線を引き込めるデータセンターもあります。

UPSや発電機の有無
→停電時どの程度耐えられるのか。ここで注意なのはいくら発電機が完備されていたとしても災害で道路が封鎖されてしまったしたらガソリン等燃料を給油できないのでUPSがあることも重要です。

火災発生時の消火方法が水かガスか
→水だと機械が死にます。ガスだと人が死にます。そんなわけで個人的には水がお勧めです(?!)。

イレギュラーな要望に強い
→サイトが大きくなってくると様々な要望が生まれてきますが、それらのイレギュラーな要望に相談に応じてくれる親切なデータセンターがよいです。(今使っているところは大変助かってます)

そして価格
→データセンターの価格はぴんからきりまでなので、「品質より価格」でいくのか「価格より品質」でいくのか決める必要があります。ただしかなりまとまったオーダーをすれば「品質と価格」の両立は可能ですがこればっかりは会社規模に拠りますね。(価格に関する一つの目安の数値があるのですが、さすがに公にはできません。興味がありましたら私に直接聞いてください)

【結論】
僕は最初、データセンターは極端な話し場所とネットワークさえ提供されるのであれば安ければ安いほどよいと思っていました。この考えはサーバを一度取り付けてしまえばあとはサーバ増加がほとんどないサイトの場合はたしかにその通りなのですが、頻繁にサーバ増強のために現地作業が必要なのだとしたら僕の最初の考えは間違いで、極力上記のポイントを押さえたデータセンター選びをするのがとても重要だと思いました。

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June 09, 2004

KVMスイッチ(CPU切り替え機)を選んでみる

データセンターを利用する際、あると便利なのがKVMスイッチです。特にWindowsサーバがたくさんある環境ではとても便利です。

 

ただKVMスイッチを一度も使ったことがない人がKVMスイッチの選定をするのはちょっと困難です。多くの場合はカタログでの比較になるか、もしくは付き合いのある業者さんから言われるままに購入してしまう場合が多いのではないでしょうか。そこでここではKVMスイッチ選定のポイントを記してみます。

 

【KVMスイッチ選択のポイント】
この5つを押さえておけば基本的に問題ありません。
  1. ポート数
  2. ケーブルの太さ
  3. マシン切り替えの方法(ボタン式か電子式か)
  4. カスケード接続できるか 
  5. (ブレードサーバを使うなら)ブレードサーバ側のKVM機能との相性

 

1については1ラックに搭載するサーバ台数のポート数があると理想的です。

 

2については見過ごされがちですが、細ければ細いほど良いです。KVMスイッチから太いケーブルが数十本出ているのと細いケーブルが数十本出ているのでは当然後者のほうがメンテナンスがしやすいです。以前太いケーブルのKVMスイッチを使用した際大変不便でした。

 

3についてはボタンを押すことでマシンを切り替えるタイプか、もしくは電子式、すなわちキーボードで操作するタイプかの選択になりますが、前者はラックが増えてくるといちいちそのラックまで行って手でボタンを押す必要があります。後者はコンソール(CRT,KBD,Mouseが置いてあるところ)からマシンを切り替えられるので便利なのですが電子式の切り替えですので切り替えに0.5秒~2秒かかる場合がありちょっとしたストレスを感じます。100台のサーバを順々にWindows Updateした際このちょっとしたタイムラグで非常にいらつきました。

 

4については1台のコンソールで何台までのKVMスイッチをカスケード(数珠繋ぎ)できるかということですが、これは3で電子式を選んだ場合は重要です。あまりにもカスケードできる数が少なすぎるとたくさんコンソールを用意しなければなりません。

5については意外と盲点なのですが、特に3で電子式を選んだ場合キー入力をKVMスイッチ内でどのように処理しているのかルールがないことで相性問題が発生します。昔私が経験したこととして、ATEN社のKVMスイッチとDELL社のブレードサーバの組み合わせではATENのKVMスイッチ側のマシン切り替えはキーボード上でできるが、ブレードサーバ内のマシンの切り替えはキーボード上から行えませんでした。これはATENのKVMスイッチでキー入力の処理を押さえてしまっていてそれがDELLのブレードサーバまで伝わらない仕組みだからだろうと想像しています。もしこの組み合わせで実際に購入してしまっていたらマシンを切り替える手段がなくてパニックになっていただろうと想像できます。なので購入前の検証は絶対行うべきだと思います。

※KVMスイッチのメーカー
Raritan
ATEN
富士通コンポーネント
など

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